お薦めの本

祖国とは国語 (新潮文庫)

祖国とは国語 (新潮文庫)

この人の作品に出会ったのはずいぶん昔です。中学の夢が数学者だったので「若き数学者のアメリカ」を見つけてつい買っていました。内容もさる事ながら、好みの文章でした。
パズルのピースがどんどんはまっていくように文章が組み立てられている感じ。
ところで、現在絶賛上映中の「博士の愛した数式」の影響なのか、「国家の品格」が週間ベストセラーに選ばれているようです。
だからなのか、昔の作品も平積みされている本屋が多いです。
片思いの異性が急に人気者になったような変な感じです。
ただし、「国家の品格」はあまりお薦めではありません。
内容はいままでの作品で何度も出てきたポリシーでしたが、文章が団塊世代の理屈臭いオヤジのようになっています。
文章フェチのMINMIにとっていままでの作品に見られるユーモアが感じられなくて残念。
まぁ、この作品をきっかけに過去の作品も注目されたら嬉しいかな。ていうか過去の作品を読んだ上で「国家の品格」を読まないと、藤原正彦さんが伝えたい事がうまく伝わらないで誤解されるように感じた。
ちなみに「祖国は国語」の前半は「国家の品格」と同じような理屈っぽくてちょっと退屈でした。
後半は藤原さんの魅力的な文章が展開されています。だからお薦めです。
お母様の「流れる星は生きている」もお薦めです。
こちらを読んでから藤原正彦さんの本を読むと、あの子供がこんなにりっぱになって!!と妙な気持ちになります。
流れる星は生きている―母と子・戦火に追われて (少年少女世界のノンフィクション)

ただし、お父様の新田次郎さんの作品は全然読んだ事がありません。
時代小説ってなんか苦手なんですよね(^^ゞ
大河「武田信玄」の原作を書いた人くらいにしか認識がありません。